2024年10月22日

GOOD DESIGN AWARD 2024受賞の詳細③

受賞に関する内容を5回に分けて書いていきます。
今回はマーケットについて!

最初の拠点、カフェを中心に半径200mくらいにある、空き店舗や空き地を活用してマーケットを毎月開催しています。かれこれ、開催回数は30回を越え、出店者さんはのべ500屋号の方々の関わりがあります。

マーケットは日常の延長

一発花火の大きな非日常的イベントではなく、全体が緩やかで、運営チームは準備がほぼいらず、出店者さんも運営側も、とにかく楽しいということに重点をおいてます。もちろん、売上もつくります。

そして、お客さんにはシャッターばかりの商店街で買い物をする経験をつくっています。

通常のマルシェ、マーケットのマップは1つの会場に収まり、お店がわかりやすく表示されているのをよく見ます。

一方で、僕らのマップは商店街を俯瞰した見せ方になっていて、マップ上にはかつて営業していたお店の屋号をそのまま載せていたり、現在、営業しているお店の名前をヒントにして、お買い物してもらうのが特徴的。


ああ、そうだ。とっても、わかりにくい!笑

でも、出店者さんがどこにいるのかな?って軒先や、空き家、空き地、私設公園など、あちこちに点在しているので探す楽しみがあります。商店街のお店もマーケットがある日は来店者数が増えます。

わかりにくい人、初めて来た人に対しては、スタンプラリーを使えばおのずと全部周れるように設定しています。

この枠組みが緩やかな時間を生んでいます。
昔は各店舗を周って買い物するのが当たり前だった。なんだか懐かしい感じもあるのかと思います。

要望に応じて、子どもマーケットを開催することがあります。
次世代の僕らみたいな人が育ってほしいという思いではじめました。
参加する子どもたちは事前に集まって、みんなで仲良く共通の看板をつくったり。

あとは教育。学校では教えてくれないことを伝えます。
売上から経費を引いて、利益はどれだけ残り、残ったお金を次はどんなビジネスに展開していくかという思考を育てていきます。

子どもがいたり、商店街の人や地域の人が見守っていたり。
とても緩やかな時間だからこそ、単純にモノを買いに来た顧客としてではなく、それぞれのファンとの時間を大切にして向き合う、日常のマーケットです。

商店街の楽しさ、ファンづくり、空き店舗の可視化など、ロングライフを考えた日常のマーケットの説明でした。

次の投稿は何書くか、なにも考えてません。笑

ではまた。

審査委員による評価コメント

受賞番号:24G181474
商店街を遊び倒す装置 [本庄デパートメント]
受賞者名:合同会社本庄デパートメント


本庄デパートメントは、「ユートピア」のような商店街である。より良い暮らしを追求しようとする人々が移り住み、商店街の使われていない空間を再生した。それぞれが好きな仕事に取り組み、お気に入りのライフスタイルを実現させ、互いに支え合い、交流し、有機的なつながりを生み出し、住む人に幸せをもたらす場所となっている。これは、通常の街づくりよりも強力な地域活性化システムである。特に成長を見直し、スローな経済発展へと向かう新しい時代において、どのようなコミュニティがより良い生活の質を実現し、それぞれの好みの追求をサポートでき、楽しく、面白味があり、また若者、高校生たちをも引き付け、巻き込むことができるコミュニティになり得るのだろうか。この事例は、有機的なデザインプロセスの良い見本になると思う。